−甘嘘別館−  
♪ハッピーエンドのBL小説を連載します♪

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Author:りょう
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「出会わなければ」には、実在のバンド、メンバーと似た人物が出てきますが、実在の人物とは一切関係ありません。

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姉貴の彼氏…30(最終回)
 昼飯を一緒に食べるために学食の前で山崎を待っていると、僕を見つけた山崎が右手を軽く上げ、笑顔全開で僕の方に近寄って来た。
「なぁ、カズミ、今日行って良いだろ?」
 僕の前に来た途端、山崎がそう言って僕の肩をポンポンと叩いた。 
「あぁ、良いよ」
 僕が答えると、山崎が嬉しそうに両手を頭の後ろに組み、晴れ渡った秋の空を見上げ、「やった」って呟いた。

「明日休みだし、泊まっていっても良いよな」
 学食の建物の中に入り、今日のメニューを確認していると、山崎が横から聞いてきた。
「・・・良いけど・・・食材無いんだよね」
 最近魚を食べていないよな・・・って思いながら、僕はお盆を持ってBランチの列の方に歩き始めた。
「りょーかい。カズミは最後まであるんだろ? 俺、後一つで終わりだから、何か適当に買って先帰ってるよ」
 先週渡した合鍵をポケットから出して、目の前にぶら下げて嬉しそうな顔をしながら山崎が言った。
「うん、ありがと。半分後で払うから」
 山崎が「おう」って返事をしてから、カツ丼の列に並びに行った。


 ここはW大の学食。数年前に綺麗に建て直したらしくて、広くて明るくて、開放感がある。

 そう・・・僕と山崎は今年の春、そろってW大の学生になったのだ。


 姉貴が余計な一言が多いおかげで、山崎と恋人同士になって以来、母さんとの会話が時々ぎこちなくなる事があり、同性の山崎との付き合いに不安を覚えるようになっていた僕なのだけど・・・。
 幸か不幸か、父さんの海外転勤が決まってくれて、僕は4月から晴れて一人暮らしが出来る事になった。
母さんは父さんに付いて行ったし、姉貴は海外の大学に入りなおすと言って急に真面目に勉強した結果、今ではしっかりむこうで大学生しているらしい。

 僕はこっちの大学に入る事を決めていたし、自炊するから大丈夫だと言ったら、親も特に反対するわけでもなく、すんなりと許してくれた。
両親の干渉も無く、姉貴とも離れられて、不安に思えていた山崎との付き合いも楽しいものに変わっていた。

「あ、そう言えばさ、そろそろアレとか無くなるだろ?」
 多めに盛られた味噌汁をこぼさないように、お盆をゆっくりとテーブルに置こうとしていると、先に座って待っていた山崎が目の前で周りを気にする様子も無く聞いてきた。
 僕が慌ててテーブルに置いたお盆の上で、味噌汁が今にもこぼれそうに揺れた。

「え・・・そうだっけ? って言うか、アレってどれだよ・・・」
 前に座っている山崎の頭をパンと叩きながら、僕はボソボソと呟いた。 
「アレと言えばアレ。俺達の愛を確かめる行為に必要な諸々のモノ」
 顔を前に突き出して、山崎がおどけたように小声で言った。
「・・・まぁ・・・もうすぐ無くなるかも?って感じかなぁ?」
 今答えること無いじゃん・・・って自分で突っ込みながら、素直に答えている僕・・・実は薬局に買いに行くのが恥ずかしくて、山崎に頼んでしまおうかな?とか思っていたりする。

「じゃ、大量購入しておこうか・・・カズミ、好きだもんなぁ」
 山崎が小声でそう言いながら僕の額を指でツンと押した。
「な・・・それは卓志だって同じじゃん」
 僕がそう言い返すと、山崎が笑いながら僕のお皿から煮物を箸でつまんで、自分の口の中にポンと放り込んだ。
「ちょっと! 自分の飯食えよ」

 僕が一人暮らしを始めると、当然のように、山崎が遊びに来るようになった。
入学したての頃、山崎があまりにも頻繁に無断外泊するようになったので、山崎の親が、しばらく外泊禁止令を出していた事があったのだ。
どうやら、彼女の家に泊まりに行っているのだと思われていたらしい。僕は彼女ではないけれどね・・・。

 夏休み前には外泊禁止令がとけたけど、山崎は僕のアパートに泊まる事が無くて、正直僕としては寂しかったんだ――。

「久しぶりだな、カズミんとこに泊まるの」
 山崎が箸を止めて僕を見た。
「そうだね。楽しみだな・・・」
 僕は嬉しくて素直に笑顔を向けると、山崎の頬がドンドン赤くなっていった。

「・・・なぁ、カズミぃ。最後のサボって一緒に帰ろうよ」
 山崎が赤い顔をして、眉間にシワを寄せながらそう言った。微妙にモゾモゾしているのは・・・
「でもなぁ・・・」
 どうしようかな・・・って思っている僕は、多分、山崎と同じ気持ちでいるんだよね。
「な?」
「・・・うーん・・・それより、一緒に講義出ない? 一緒に帰れるじゃん」
 同じ気持ちだけど、やっぱりサボるのはなぁ・・・って思っている僕がそんな事を言う。
「え〜。だってさぁ、教室じゃカズミに触れないし・・・」
「触るとか・・・ってそんな・・」
「だって・・・今すぐにでも抱きしめたい気分」
「バカ・・・」

 そんな会話があって・・・
 結局、その日、僕は講義をサボり、山崎と2人で買い物をしてから僕のアパートに向かったのでありました。 
 帰りに寄った薬局で、レジのおばさんが微妙な視線を向けていたのがちょっと気になったけど――。
 まぁ、そんな事はすぐに忘れて、早く2人きりになりたかった僕らは、買い物袋をぶら下げて走ってアパートに帰って行ったんだ。

 アパートに帰ってからは、買ってきた物を片付ける時間も惜しんで・・・・・・・・
って、まぁ、この話はここでは出来ないので・・・またいつかどこかで・・・ね。


 今まで読んで下さった皆さん、ありがとうございました!
 僕達、幸せになります♪   
                       須藤和美 
                       山崎卓志 



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