学校につくと、自分の席に鞄を置き、村上達と話をしている智也の所に行った。
皆との話に夢中になっているうちに、いつの間にか予鈴が鳴り、もうすぐ授業が始まる時間になっていた。だけど……パッと教室を見回してみたけれど、神楽の姿が見当たらない。あいつ、登校して来るのは遅い方だけど、遅刻した事も無かったはずだ。
結局、1時間目の授業が始まっても、神楽は登校して来なかった。俺の浮かれきった気持ちは、シュンとしぼんでしまったようだった。
その日の休み時間、智也達と話をしていた時に、周りを見て気が付いた。いつもだと、俺たちが話している時には、誰かしらクラスの女子が、会話に加わっていたはずだ。だけど、今日に限って誰もいないじゃないか。
教室の前の方からは、いつも俺達の側に来ている女の子達が、雑誌を見ながらキャーキャー騒いでいる声が聞こえてきた。
「神楽が休みだと、女子が遠くにいるねぇ」 智也がポツンと呟いた。
「やっぱり、それでか……」
いつも女子が会話に混ざっていた理由って、神楽だったんだ? それにしても、神楽が居ないと、女子が誰も寄って来ないっての、あまりにも露骨過ぎないか……。
「ったく、なぁ。ホントあいつってモテルよな。しょっちゅう女変ってるみたいだし。そんないい加減な男でも良いんだもんなぁ、女ってわかんねーよ」
智也が嫉妬心丸出しでそう言った
「そうだよなぁ」
嫉妬するぜ……俺だって。何だかなぁ……女もあいつも、わかんねーよ。
「あいつ、どうしてそんなにモテルんだよ……」
俺は独り言のように、ポツンと呟いた。
回りにいる奴らの笑い声で、俺の呟きは誰にも聞こえていないと思っていたのに、どうも智也の地獄耳にはバッチリ届いていたようだ。
「はぁー? 何言ってんのさ。あいつがモテルのなんて、あいつが、カワイイ顔してて、おまけに性格が優しいからに決まってんだろ。わかんねーのかよ? お前、アホか?」
アホって言うことねーだろが。
「分かってるさ、そのくらい」
性格も良いし、甘い顔立ちだし、それに、頭も良いし、意外とスポーツも得意だし。モテル要素たっぷりだよ。
「神楽君大好き!」って、素直にアピールできる女たちが羨ましい。
そんな風に思い、少し落ち込んだ気分になってしまった。
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