俺が顔を覗き込むと、牧野は不機嫌そうな顔をして、ジロリと俺を見た。
「別に待ってなくって良いってば」
予想通り冷たい声で牧野が言い返した。
「だってさー、つまんねーんだもん」
牧野が素っ気無いのなんて、今に始まった事じゃない。時々メゲルけど、それでも俺は犬のように尻尾を振りながら(?)牧野に纏わりつく。
「誰かと帰れば良かったじゃん。谷村とかが誘ってたじゃねーか」
放課後の教室に牧野と俺が居る。他のやつは殆ど帰ってしまって、あと数人が帰る用意をしていたり、友達同士で喋ったりしていた。
「牧野って、いつもはテキトーなのに、日直の仕事はちゃんとやるんだなぁ」
本当は几帳面なのを知っているけど、知らない振りをする。
「ウルセーなぁ。俺はいつだって真面目なんだっての」
「真面目」とはちょっと違うような気もするけど、良い奴だって事は知っているよ。
「なぁ、日直のもう1人の奴えっと三田だったけ? あいつはどうしたんだよ? お前だけでやる事ないじゃん」
牧野ったら、そうは見えないけど、結構お人好しなんだから・・・ちゃんと三田にも遣らせないとダメじゃないか・・・。
「あいつは部活に行ったの。午前中はあいつが殆どやったからいいんだよ。分担作業だってば」
何だ・・・そうなのか。やっぱり牧野って良い奴だよな・・・。でも、俺には微妙に冷たいんだけどさ。
「ふーん、そっか。さすが、牧野だね」
褒めてあげたら、牧野が急に顔を上げて、驚いたような顔をした。それからすぐにまた、下を向くと、日誌を書き始めた。
微妙に耳が赤く見えるんだけど・・・照れているのかな・・・。
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