−甘嘘別館−  
♪ハッピーエンドのBL小説を連載します♪

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Author:りょう
BL小説を書いてます。
よろしくお願いします☆
別館では18禁小説は連載しません。
本館へ行かれたい方は、コメント等でお問い合わせ下さい。
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☆おことわり☆ 
「出会わなければ」には、実在のバンド、メンバーと似た人物が出てきますが、実在の人物とは一切関係ありません。

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恋の行方…2
 あれは高1の夏が過ぎた頃だった・・・。

 ある日の朝、俺はいつもの電車に乗り遅れ、次の電車を待っていた。
 ホームで電車を待ちながら、俺は頭の中で「今度の電車だと、駅から走らないと間に合わねーんだよ!」って、ぶつけようの無いイライラと戦っていた。

 ほんの数分前、俺はいつもの電車に乗ろうと思い、急いで階段を上っていた。その時、後から階段をかけ上がって来た人が急にぶつかってきて、俺は肩にかけていた鞄を落としてしまった。
ぶつかったサラリーマンは何も言わずに、そのまま階段をかけ上がって行き、人ごみに紛れて見えなくなった。
そして俺はムッとしながらそいつの背中を見ているうちに、電車に間に合わなくなってしまったのだ。
 混んでいる中、相手も急いでいたんだろうから仕方無いのはわかる、だけど、「すみません」の一言も無いなんて、今の大人はどうなってるんだよ・・・そう思いながら、俺は腕時計を見つめ溜め息をついた。


 だけど、その後俺は、「いつもの電車に乗らなくて良かった」って思えるような運命の出会い(?)をしてしまうのであった――


 次に来た電車は、いつも乗っている電車よりも空いていたので、俺は苦労しないで車内に乗り込むことが出来た。
 俺はドアのすぐ横の座席前にある吊革に掴まると、顔を上げて窓の外を眺めた。
晴れ渡った、清々しい空が広がっていたが、それを眺めていても、俺のイライラはおさまらなかった。


 隣駅に着くと、俺の前に座っていたOLが立ち上がり電車を降りて行った。
ラッキーな事に俺は朝から座ることが出来るのだ――朝からついてない・・・と思っていたけど、そうでもないか。駅から学校まで走らないといけないわけだし、今のうちに少しゆっくりしていこうじゃないか――そう思いながら、俺は座席に座って、反対側のドアに目を向け、駅から乗り込んでくる乗客をボンヤリ眺めていた。

 ここの駅は、この時間帯に乗ってくる人が多いんだ?――そう思いながら人の流れを見ていた俺は、次の瞬間、メチャメチャ俺好みの子を見つけてしまった。その時の俺には、その子だけが輝いて見えた。
 これが一目惚れってやつなのか・・・俺はドキドキしながら、その子を目で追った。でも、残念な事に、その子は電車に乗り込むとすぐにドアの所に立ち、窓の方を向いてしまったのだ。俺の席からは顔が全然見えない――。
 だけど・・・柔らかそうな髪、色白の肌、キリッとした眉、ほんの少し垂れた目――その人の可愛らしい顔が、さっきの一瞬で、俺の記憶の中にシッカリ留まってしまった。

 俺はその時、いつもの電車に乗り遅れて、イライラしていた事もすっかり忘れ、電車を降りる頃には、明日も頑張ってこの時間の電車に乗るぞ――なんて思っていたのだった。


 そして・・・
 それから数日が過ぎたある日、俺は新たな事実を知り、浮かれきっていた恋心の持って行き場に困ってしまうのである――。


 一目惚れしたあの日以来、俺はいざとなったら遅刻覚悟で、彼女に会える電車に乗るようになった。


 その日は彼女の乗る駅からの乗客が意外と少なかった。いつも彼女の周りを囲むように立っている女子高生やサラリーマン等の邪魔者が居なさそうで、「今日はジックリと見られるぞ」なんて、ウキウキした気分で、電車に乗り込んで来た彼女を眺めた。
 いつもは、人の隙間から、顔が覗いている程度だったのだけれど、その日は彼女の頭の先からつま先までがシッカリ見えるじゃないか。
 胸は大きいのかな? とか、足は細いかな? とか、そんな事をモヤモヤと考えながら、彼女のことを見ていると・・・

「あいつ、男じゃねーか・・・」思わず言葉にしてしまいそうだった。

 俺、この数日間、こいつを見つめてたのか――
 自分が男に恋心を抱いていたんだ――という事実は、俺にかなりの打撃を与えた。
顔以外はあまり見えなかった(見ていなかったとも言える――)から仕方ないけど、もっと早く気づけよ、と自分に思わず突っ込みを入れてしまう。
よく見れば、男ってわかっただろうに・・・落ち込みとも、後悔ともつかないような妙な気持ちと共に、俺はそいつから視線をそらした。

 相手が男だとわかると、これ以上そいつを見ている理由は無くなってしまい、翌日から俺は、以前乗っていた電車に乗るようになった。

 だけど、その後の俺は、毎朝何か物足りないような気がしてしまい・・・自分でもバカな行動だと思ったのだけど、また、そいつに会うために、一本遅い電車に乗るようになった。
 俺はそいつの放つ、癒し系の雰囲気に、すっかりはまってしまっていたのだ。会話をしたわけでも、そいつが俺に何かをしてくれたわけでも無いのに、そいつの事が頭から離れなくなっていた。

 自分でも戸惑いは隠せなかった・・・だけど、付き合いたいとか、どうにかなりたいとか思っているわけでもないし、見ているだけなら、それも良いんじゃないか? そう思って、自分を騙し続けた俺だった。

 そして、結局、1年以上経っても、俺のほのかな恋心は消えないままだった。

 そいつはいつもドアのところで外を眺め、俺はそいつの横顔をチラチラと見つめる、そんな不毛な日々が続いた――。

 部活の朝練で会えない日や、そいつが同じ電車に乗ってこなかった日が、やけに辛いって思うようになっていた俺は、既に道を踏み外してしまっていたのだろうか・・・


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恋の行方…1
 俺、山崎卓志(やまざきたくし)、高校2年の健全な男子。
今俺は、隣のクラスの女の子に告白されている。
もうすぐ冬休みだから、クリスマス用の恋人をゲットしようとしているのかな?
なんて思ってしまう俺なのだけど・・・。

「ねぇ、山崎君、彼女居なかったら、私と付き合って欲しいと思っているんだけど・・・」

 寒いこの時期に、今にも雨が降り出しそうな空の下、屋上に呼び出された寒がりな俺は、凍えそうになりながら、彼女の告白を聞いていた。
 
 目の前の彼女、村山静香(むらやましずか)が俯いたまま俺の返事を待っている。
 この時の俺の正直な気持ち――面倒くさい事になってるな――。
俺、今彼女とか居ないけど、村山とは付き合うつもりもないし・・・あぁ、でも、告って来たのが他の女でも同じかな。今の俺は誰とも付き合う気が無いって言うか――

 ボンヤリと考えていると、返事を促すかのように村山が上目使いで俺の事を見た。

――あぁ、村山って、かなり可愛いんだ――そうは思ったけど・・・

「悪い、村山・・・。俺、村山とは付き合えない」
 俺はそう言ってペコリと頭を下げた。
――さっさと終わらせて、暖かい教室に戻りたい――

 頭を上ると、村山の悲しそうな表情が視界に入ってきた。
 多分・・・一大決心をして、告白しているんだろうから、付き合えないって言われたら、ショックだよな――なんて、俺はちょっと冷めた目で、目の前の村山の様子を観察していた。
 可哀想かも知れないけど、俺、本当にダメ。村山は可愛いし、結構モテルんだから、俺じゃなくて、他をあたってよ・・・と言いたい気分だ。

「彼女とか、いるの?」
 悲しそうだった村山の目が、一瞬鋭く輝いたように見えた。
「そうじゃないけど・・・」
 俺のあやふやな言葉に村山が口を尖らせ、眉間にシワを寄せた。どんな表情をしても、可愛らしく見える奴って得だよな・・・俺はそんな事を思いながら俯いて苦笑した。

「ねぇ、彼女居ないなら、付き合ってよ・・・お願い」
 両手を合わせ、首を傾げながら村山が言った。
女の子ってすごい。俺にもこれぐらいの度胸があったら良かった。イヤイヤ、俺の場合はこんなんじゃ通用しないよ・・・・・・。

「ゴメン。彼女はいないけど、好きな奴が居るんだ。今は誰とも付き合いたくないから」
 そう、俺は只今乙女チックに片思い中。だから、他の奴は目に入らないって言うか何ていうか・・・。
「・・・そうなんだ。・・・それなら仕方ないや」
 村山はそう言うと、パッと俺に背を向けて走り出した。
 あぁ、良かった・・・これで開放される。もし、逆切れとかされたらどうしようと思ってたよ・・・。
さて、用が済んだから、教室に戻ろう――。
 急に強い風が吹いて、体中に鳥肌が立った。俺は慌てて屋上の入り口から校舎の中に入った。

「よう、山崎」
 声のする方に顔を向けると、入り口のすぐ脇に同じクラスの田部が座り込んでいた。
 田部は俺が顔を向けると、ニヤニヤと笑いながら立ち上がった。
「何だよ田部、お前盗み聞きすんなよ」
 俺が不貞腐れたようにそう言うと、田部は「ふん」と鼻をならした。
「人聞きの悪い事言うなよ。俺はただ、一服しようと思ってきたら、お前がコクられてたってだけだぜ」
 田部がタバコとライターをこれ見よがしに俺の前に突き出した。
「はーん。そうなんだ?」
 俺はムッとしたまま田部に言い返した。

「なぁなぁ、何で振っちまうの? 村山ならOKだと思うけどねぇ。可愛いし胸デカイし。お前、彼女居ないなら、とりあえず付き合っちゃえば良かったのに。もったいねぇなぁ」
 田部が俺の肩に腕を回し、反対の手で俺の頭をグリグリと撫で回した。
「じゃあ、お前が付き合えよ。俺は好きな奴がいんの。お前聞いてたんだろ?」
 俺は田部の腕から抜け出し、田部の腹を拳で殴る真似をした。
「おっと、あぶねーなぁ。俺は無理。美加ちゃん一筋だし」
 田部が、幼稚園時代から片思いしていた美加ちゃんと付き合うようになったのは、つい二週間前だったっけ。こいつはチャライ見かけに似合わず一途なんだよな・・・。

「まぁ、お暑い事で・・・」
 俺がふざけたように言うと、田部がニヤッと笑ってから「ま、俺の事は良いから」と言って、さらに俺の話を聞こうとした――。
「それよか、誰なんだよ、お前の片想い中の相手って? クラスの奴とか?」
「・・・違う」
 言いたいけど・・・やっぱマズイよな――俺は心の中で葛藤を続ける。
「もしかして、3年のお姉様とか?」
「ちげーよ」
「お前、親友の俺にも言えないっていうのか?」
「だって、お前の知らない奴だもん」
「ふーん、そうなんだ? でも、気になるよなー。お前が好きになるって、どんな女なんだろうな」
 田部が興味津々の目で俺を見ていた。いくらなんでも、やっぱり・・・今俺が好きな相手は、女じゃなくて男なんだよ・・・とはいえないよな――。

「お前にはヒミツ。お前、口軽いし」
 そう。こいつ、チャラいわりに真面目なんだけど、どうも俺の事に関しては口が軽いと言うか、何でもネタに使おうとしているんじゃないか? って感じもするのだ。

「そんな事ねーよ。俺、お前が言うなっていうなら、絶対言わないって」
「マジ?」
 一瞬、気持ちが揺らいでしまうしまったけど、俺の片想いはきっと、お前にとってはカッコウの笑いのネタ。
「まじまじ」
 田部が興味津々の顔をしながら俺を見ている。
「でも、教えねー」
「んだよ、お前!」
 田部が俺の頭をグシャグシャと両手で撫で回した――。

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コメントについて・・・
コメントで、本館URLの問い合わせを頂いたのですが、アドレスを書いていない方がいらっしゃいました涙
本館は18禁の内容も扱っていますので、ココのブログではお知らせしないことにしています。
お心当たりのある方は、お手数ですが連絡できるアドレスを知らせて下さい。


あ、そうだ。コメントの件についてもう一つお知らせです。

コメントは承認制にしてあります。
と言うのも、アダルト系のコメントが入りやすいので…いきなり表示されるとイヤだなと思って。
なので、私が承認処理をしなければ画面に表示される事はありません^^

コメントに表示されても良い場合は秘密コメントにしなくても良いですよ。
表示されるのはちょっと…と思われる方は、秘密コメントにしておいて下さい。
よろしくお願いしますハート


ありがとうございます☆
読みに来て下さっている皆様、そしてコメントや拍手を下さった皆様
いつも本当にありがとうございます。

誰かが私の書いた話を読んでくれて、感動してくれたり涙してくれたり・・・
自分にとってはとってもうれしい事であります。

こんな私・・・実は読書が嫌いだったんですよ。
そして、作文も大の苦手。
(なので文章が荒いんです)

次回作は、山崎卓志くんに語ってもらおうかなー?
「姉貴の彼氏」番外編のお知らせ
こんばんは。
いつも読みに来て下さっている皆様、本当にありがとうございます☆

えっとですね、昨日完結した「姉貴の彼氏」の番外編が急に書きたくなりまして、一気に書き上げ、本館の方でUPしてみました。
自己満足な内容なので、喜んでもらえるのかはわかりませんが、良かったら本館の方に遊びに来て下さい。

ここには乗せられないエッチな内容なので、読みたい方で本館をご存知無い方は、コメントなどを使ってURLをお問い合わせ下さい。秘密コメントもできますよ(メルアドをお忘れなく)。

エッチな内容と言っても、それ程ハードなものじゃないので、あまり期待しないで下さい^^;

良かったら感想なども頂けると嬉しいです♪

それでは。これからもよろしくお願い致します。
とは言え、連載はしばらくお休みするかもです。

姉貴の彼氏…30(最終回)
 昼飯を一緒に食べるために学食の前で山崎を待っていると、僕を見つけた山崎が右手を軽く上げ、笑顔全開で僕の方に近寄って来た。
「なぁ、カズミ、今日行って良いだろ?」
 僕の前に来た途端、山崎がそう言って僕の肩をポンポンと叩いた。 
「あぁ、良いよ」
 僕が答えると、山崎が嬉しそうに両手を頭の後ろに組み、晴れ渡った秋の空を見上げ、「やった」って呟いた。

「明日休みだし、泊まっていっても良いよな」
 学食の建物の中に入り、今日のメニューを確認していると、山崎が横から聞いてきた。
「・・・良いけど・・・食材無いんだよね」
 最近魚を食べていないよな・・・って思いながら、僕はお盆を持ってBランチの列の方に歩き始めた。
「りょーかい。カズミは最後まであるんだろ? 俺、後一つで終わりだから、何か適当に買って先帰ってるよ」
 先週渡した合鍵をポケットから出して、目の前にぶら下げて嬉しそうな顔をしながら山崎が言った。
「うん、ありがと。半分後で払うから」
 山崎が「おう」って返事をしてから、カツ丼の列に並びに行った。


 ここはW大の学食。数年前に綺麗に建て直したらしくて、広くて明るくて、開放感がある。

 そう・・・僕と山崎は今年の春、そろってW大の学生になったのだ。


 姉貴が余計な一言が多いおかげで、山崎と恋人同士になって以来、母さんとの会話が時々ぎこちなくなる事があり、同性の山崎との付き合いに不安を覚えるようになっていた僕なのだけど・・・。
 幸か不幸か、父さんの海外転勤が決まってくれて、僕は4月から晴れて一人暮らしが出来る事になった。
母さんは父さんに付いて行ったし、姉貴は海外の大学に入りなおすと言って急に真面目に勉強した結果、今ではしっかりむこうで大学生しているらしい。

 僕はこっちの大学に入る事を決めていたし、自炊するから大丈夫だと言ったら、親も特に反対するわけでもなく、すんなりと許してくれた。
両親の干渉も無く、姉貴とも離れられて、不安に思えていた山崎との付き合いも楽しいものに変わっていた。

「あ、そう言えばさ、そろそろアレとか無くなるだろ?」
 多めに盛られた味噌汁をこぼさないように、お盆をゆっくりとテーブルに置こうとしていると、先に座って待っていた山崎が目の前で周りを気にする様子も無く聞いてきた。
 僕が慌ててテーブルに置いたお盆の上で、味噌汁が今にもこぼれそうに揺れた。

「え・・・そうだっけ? って言うか、アレってどれだよ・・・」
 前に座っている山崎の頭をパンと叩きながら、僕はボソボソと呟いた。 
「アレと言えばアレ。俺達の愛を確かめる行為に必要な諸々のモノ」
 顔を前に突き出して、山崎がおどけたように小声で言った。
「・・・まぁ・・・もうすぐ無くなるかも?って感じかなぁ?」
 今答えること無いじゃん・・・って自分で突っ込みながら、素直に答えている僕・・・実は薬局に買いに行くのが恥ずかしくて、山崎に頼んでしまおうかな?とか思っていたりする。

「じゃ、大量購入しておこうか・・・カズミ、好きだもんなぁ」
 山崎が小声でそう言いながら僕の額を指でツンと押した。
「な・・・それは卓志だって同じじゃん」
 僕がそう言い返すと、山崎が笑いながら僕のお皿から煮物を箸でつまんで、自分の口の中にポンと放り込んだ。
「ちょっと! 自分の飯食えよ」

 僕が一人暮らしを始めると、当然のように、山崎が遊びに来るようになった。
入学したての頃、山崎があまりにも頻繁に無断外泊するようになったので、山崎の親が、しばらく外泊禁止令を出していた事があったのだ。
どうやら、彼女の家に泊まりに行っているのだと思われていたらしい。僕は彼女ではないけれどね・・・。

 夏休み前には外泊禁止令がとけたけど、山崎は僕のアパートに泊まる事が無くて、正直僕としては寂しかったんだ――。

「久しぶりだな、カズミんとこに泊まるの」
 山崎が箸を止めて僕を見た。
「そうだね。楽しみだな・・・」
 僕は嬉しくて素直に笑顔を向けると、山崎の頬がドンドン赤くなっていった。

「・・・なぁ、カズミぃ。最後のサボって一緒に帰ろうよ」
 山崎が赤い顔をして、眉間にシワを寄せながらそう言った。微妙にモゾモゾしているのは・・・
「でもなぁ・・・」
 どうしようかな・・・って思っている僕は、多分、山崎と同じ気持ちでいるんだよね。
「な?」
「・・・うーん・・・それより、一緒に講義出ない? 一緒に帰れるじゃん」
 同じ気持ちだけど、やっぱりサボるのはなぁ・・・って思っている僕がそんな事を言う。
「え〜。だってさぁ、教室じゃカズミに触れないし・・・」
「触るとか・・・ってそんな・・」
「だって・・・今すぐにでも抱きしめたい気分」
「バカ・・・」

 そんな会話があって・・・
 結局、その日、僕は講義をサボり、山崎と2人で買い物をしてから僕のアパートに向かったのでありました。 
 帰りに寄った薬局で、レジのおばさんが微妙な視線を向けていたのがちょっと気になったけど――。
 まぁ、そんな事はすぐに忘れて、早く2人きりになりたかった僕らは、買い物袋をぶら下げて走ってアパートに帰って行ったんだ。

 アパートに帰ってからは、買ってきた物を片付ける時間も惜しんで・・・・・・・・
って、まぁ、この話はここでは出来ないので・・・またいつかどこかで・・・ね。


 今まで読んで下さった皆さん、ありがとうございました!
 僕達、幸せになります♪   
                       須藤和美 
                       山崎卓志 



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姉貴の彼氏…29
「愛情に近い友情がどうのこうの・・・とか、初めてカズミに負けたとか・・・? カズミあんた、何のことだかわかる?」
 母さんが僕に向かって聞いてきた。
まったく・・・姉貴ったら、ギリギリの内容じゃないか・・・母さんが気づいてないみたいだから良いけどさ――ホントに気づいて無いよな――
「さぁ・・・? 全然わかんないけど・・・」
 母さんの言葉にビクビクしながら、手に汗握っている状態だったんだけど、僕は冷静に言い返した。母さんに動揺している姿を見られたら絶対マズイもんなぁ・・・。

「お母さん、すみません。良美さんとは・・・別れることになったんですけど、カズヨシ君とはこれからも仲良くさせてもらいたいと思ってます――よろしくお願いします」
 山崎が深々と頭を下げながら言った。

 僕は母さんや山崎の言葉に冷や冷やしっぱなしだった。でも、まぁ、山崎の言葉に嘘は無いよな・・・うん・・・。

「あら、全然構わないわよ。良美ったら本当に好き勝手やってる子だから・・・ゴメンなさいね。山崎君も疲れちゃったのよね・・・きっと」
 母さんが申し訳無さそうに言った。母さんもわかっていたんだ?って感じなんだけど・・・。
「え・・・いえ・・・まぁ・・・」
 まっすぐ山崎を見ている母さんに対して、山崎が困ったように言葉を濁した。どう考えても、僕と恋人同士になった・・・なんて事を母さんに話すわけにはいかないもんな・・・。
「そうだよ・・・姉貴は・・・その・・・マイペース過ぎるし」
 僕は山崎をフォローしようと思ったのだけど、言葉が上手く出てこなかった。まぁ、姉貴には、山崎と僕の関係をあっさり許してもらった・・・借りもあるから――。

「まぁ、でも、和美に良い友達が出来て、母さん安心したわよ。良かったわね、和美」
 僕と山崎が微妙に戸惑っている事には全然気づいていない母さんが、僕に向かって心底安心したような笑顔を見せた。
「うん・・・良かったよ」
 僕は隣にいる山崎に視線を向けながら答えた。
山崎は僕を見て、微かに頬を赤くした。

 とりあえず、母さんには良い友達って事にしておかなくちゃな。先のことはわかんないけど、大事な友達ってことには変わらないから。

「じゃ、また連絡する」
「うん」
 山崎が僕の肩をポンと叩いて玄関を出て行った。

 ――こうして僕と山崎の恋人としての付き合いが始まった――。


「カズミ〜彼ね、医大生なんだよー」
「あっそ。良かったじゃん」
「何よ、その冷たい反応」
「・・・だって、姉貴の彼氏になんて興味ないし」
「ふーん・・・興味無かったんだ? 卓志にも」
「え・・・いや、別に・・・」
 
 その夜、合コンから帰ってきた姉貴は、例によって新しい男がもう見つかったらしく、明後日の土曜日にデートするとか言っていた。
 で、姉貴曰く、今度の彼氏は山崎と違ってメチャメチャ金持ちなのだそうだ。そいつが、我がまま女の姉貴を上手く扱えるのかどうかはわからないけど・・・。
 とりあえず、山崎の事を引きずってない姉貴には感謝かも――。

「姉さん、デートってどこに行くとかもう決めてんの?」
「んー? 彼が車で海に行こうか? って言ってたけど、買い物にも行きたいのよね」
「そっか。・・・車とか良いじゃん」
「まぁねー」


 土曜日には僕も山崎と初デートだし・・・。姉貴達と街でバッタリなんてイヤだからなぁ・・・
なんて、密かに姉貴のデート先を街から遠ざけようとしている僕だった。


 それにしても・・・まさか同性の恋人が出来るなんて、考えもしなかったよ・・・。
でも、まぁ、え〜と、こうやって、僕らは色んな事を経験しながら大人になっていくわけなんだよね・・・・・・


 ん? 色々な経験?
・・・・・・うーん。
もしかしたらこれから、未知の世界が待っているかも知れない。
 山崎と二人で 勉強していかなくちゃ――


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