「ほら、馨、これ好きだろ?」
不貞腐れている藤田をギュッとハグしてから、コンビニの袋を持ち上げ、中からゼリーを出した。
「お、やったぁ。マキは気が利くねぇ」
ベッドの端に座り、俺から嬉しそうにゼリーを受け取ると、ゼリーのカップを手に持ったまま、今日学校であった事を俺に尋ね始めた。
「なぁ、馨、ゼリー温まっちまうよ?」
藤田は、受け取ってから食べもせずに手で弄んでいたゼリーカップを、自分の額や頬に当て「冷たくて気持ち良い・・・」とか言い始めた。
「・・・今日の夕飯のデザートにするつもりなんだ〜。後で冷蔵庫に入れるから温まっても平気だよ」
藤田がそう言ってゼリーを俺の額や腕にくっつけ始めた。
「ふーん」
もうすっかり温くなっているよ。まぁ・・・また冷やせば良いんだろうけどさぁ。
「俺ねぇ、食後のデザートって欠かせないと思うんだよね。すっごく楽しみなんだよ・・・」
藤田がそれからしばらくの間、子供のような顔をして、デザートの事を語り続けた。
さっき、「小学生でもないのに」って言っていたわりに、考えてる事は子どもみたいだよな。
「ねぇ、マキ・・・やりたくね?」
藤田がベッドに並んで座っていた俺の太腿に手をスッと乗せてきた。
子どものようだった藤田が、いきなり大人になった・・・って感じだろうか。
「何言ってんだよ。病み上がりのくせに」
俺がそう言うと、今度はまた子供のような笑顔を見せた。
「もう平気。マキの顔見たら、バッチリ元気になった」
俺は藤田に押し倒されそうになった。
「でも、今日はやめとく」
藤田の身体を押し返しながら言った。
「何で?」
あのなぁ、下にはお前の母ちゃんが居るんだぞ! ・・・って今までに何度も言ったセリフだ。
でも、こいつにはそう言う理由があまり通じない。
「・・・体力落ちてるのに、今やったら、また学校行けないかもしれないじゃん。そしたら、明日も会えないんだぜ・・・寂しくない?」
俺がそう言ったら、藤田の奴はすっごい嬉しそうな顔をした。藤田はこういう言葉に弱いからな・・・。
「俺って愛されてる?」
横から抱きつきながら藤田が言った。
「あ・・・当たり前じゃん」
ちょっと照れくさくて、小さな声で呟くと、藤田が、俺の耳朶をハムッと甘噛みした。ゾクッとして鳥肌がたってしまう。
「マキに愛されてるって思うと、嬉しいよ。今日は我慢するけど、今度いっぱいやろうね」
耳元で囁くように言われ、小さく頷くのがやっとだった。
翌日、俺は熱を出した。
藤田からのメールによると、誉田が、「予想通りになったな」って言ってニヤケていたそうだ。
こんな事なら、昨日、藤田とやっておけば良かったかな・・・・。
これで、しばらくはお預け状態になってしまうだろう・・・。
面白かったらポチッとよろしくです⇒FC2 Blog Ranking

