−甘嘘別館−  
♪ハッピーエンドのBL小説を連載します♪

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Author:りょう
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☆おことわり☆ 
「出会わなければ」には、実在のバンド、メンバーと似た人物が出てきますが、実在の人物とは一切関係ありません。

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キャラに対する感想まで頂けて、とっても嬉しかったですjumee☆LoVe3
これからもよろしくお願いしますハート

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(本館は18禁ですので、年齢に達していない皆は、18才になるまで我慢して下さいね)

りょう
恋の行方…3
「よっ、山崎」
 今朝はあいつに会えなかったな――そう思いながらボンヤリとしていると、急に田部のだみ声が聞こえて来た。
「ん・・・何?」
 いつもの時間の電車に乗ったのに、何で居なかったんだろう? 風邪でもひいたのだろうか――朝練以外の日に会えないと、妙にへこむんだよな……。

 返事をしたものの、あいつの事を考えていた俺は、目の前で俺に話しかけている田部の声ががちっとも耳に入ってこなかった。

「おい、山崎!」
 反応の無い俺に腹を立てた田部が俺の頭をパコンと叩いてきた。
「いてーなぁ」
 俺が顔を上げて田部を睨むと、田部は呆れたように溜め息をついた。

「なぁ、お前、最近、妙にボケーっとしてる事多いよな? 大丈夫かよ」
 田部がそう言いながら俺の隣の席に座ると、心配そうに俺の額に手をあて、自分の額の温度と比べた。
「わっ、大丈夫だって! 何か、そういうことする田部ってキモイ」
 俺は慌てて田部の手を払い除け、ガタガタと椅子ごと逃げ出した。
「何言ってんだよ、アホ。人が心配してやってるのに!」
 田部がムッとした顔をして、俺の机の上にあった教科書とノートを俺めがけて投げつけてきた。
「人の物投げるなよ! ったく」
 俺は、ブツブツと文句を言いながら、足元に落ちている教科書を拾おうと体を屈めた。

「恋でもしちゃっているとか?」
 顔を上げた途端、田部にそう言われ、俺は焦って手に持った教科書を落としてしまった。
「そんなんじゃないって。別に何でもない」
 俺は体を屈めたまま、ぶっきらぼうに答えた。
 
 あいつの事を考えると、妙に元気になったり気持ちが沈んだり――そんな感じなんだよ…。
ってこれはやっぱり「恋」なのか?
 ヤバイよなぁ。一番仲がいいとは言え、田部にだって相談出来ないってば……。

 教科書とノートを拾うと、俺は何も無かったかのように、椅子を引きずりながら田部の隣に戻った。

「ま、何でもないなら良いけどさ」
 田部は、微妙に疑いの眼差しを向けたまま、机に肘をついて鼻で笑った。
「あぁ、平気平気」
 本当はかなりヤバイかも知れないんだけど――俺は思わず心の中で苦笑した。

「さっきの話の続きだけど」
 机の中に教科書を押し込んでいると、田部が急に声を潜めながら言った。
「さっきって…何? 悪いけど聞いてなかった」
 俺がそう言うと田部が文句を言ってから、もう一度話始めた――。

「西高に行った吉井って覚えてるだろ?」
「あぁ、中3の時、一緒だった奴だろ」
 吉井と言えば、頭は良いしスポーツは出来るし、優しいし、おまけに男前。女にモテル奴だったよな。
「そうそう。その天才吉井君がさ、1組の秋山に告白したらしいぞ」
「え? 秋山って…誰? 俺、1組の女子の名前あんまり知らないんだよね」
 吉井ってかなりメンクイだったよな…? 俺の知っている限りでは吉井のメガネに敵う女子なんて居ないような気がするけど――。
「女じゃねーよ。秋山保。中3で同じクラスだったじゃん」
 俺は田部の言葉の意味を理解するまで、しばらく時間がかかってしまった。

 吉井は優等生のモテ男。秋山は男のくせに可愛らしくて、ちょっと頼りなくて、お世話したいタイプの女子から絶大な支持があったっけ――。あの2人、結構仲が良かったよな……。
考えてみると、雰囲気的にも似合っているような気がする――。
 
「吉井が秋山に…ってマジで?」
 そういう世界もありで良いのか? なんて、俺は、ほのかな期待を胸に、田部に聞き返した。
「そ、ありえねーだろ?」
 田部の嫌そうな顔を見て、期待するだけバカだったって事が改めてわかった。
 俺の気持ちは、やっぱり田部にも話出来ないよなぁ――。

「だって、吉井って彼女居ただろ? 毎年違ってたけど」
 考えてみたら、噂話なんて、どこかで間違って伝えられているのかもしれない。吉井にはいつだって、頭が良くて綺麗な彼女がいたはずだ。秋山に告白した…なんて、誰かが話を捻じ曲げて伝えているのかもしれない。
「そうなんだよなー。女に飽きたのかねぇ? なんて言ってたぜ」
 田部がニヤケ顔を向けてそう言った。
「誰が?」
「秋山が」

「で、秋山はどうしたんだよ?」
 多分、前の俺だったら、「気持ち悪い奴」って吉井の事を笑っていたんじゃないかと思う。だけど、今の俺は、秋山が吉井の気持ちを受け入れてやってると良いんだけど――って思っていた。
「何て答えたか言ってなかったけどさ、もう友達ではいられねーかな、とか言ってたぜ」
「それって、どういう意味さ?」
「…どう…ってさ、そりゃ、もちろん男には興味ないから無理って事だろ?」
 俺の頭の中では、吉井が嬉しそうに秋山の方を抱いている姿が浮かんでいた。だけど、現実はやっぱり厳しいようだ。
「やっぱ、そうだよな」
 ……何だか胸が痛いんですけど? 俺がもし万が一告白したとしても、吉井と同じような運命を辿るんだろうな。
でも、待てよ? もともと友達じゃ無いわけだし――って、ダメだ。卒業する頃ならまだしも、今、会えなくなるような事をしちゃマズイ。

「同じ学校じゃなくて良かった…とも言ってたなぁ、秋山」
「そっか。」
 俺は吉井に同情していた。
多分、吉井は一大決心をして秋山に告白したんだろう…。友達で居られなくなるかもしれないのに……
それでも、気持を伝えたかったんだ――。

「なぁ、田部はさ、もし男に告られたらどうする?」
「え? 俺かぁ……メチャメチャ可愛い奴だったら、ちょっとは考えるかな――って、やっぱ無理。俺には美加ちゃんが居るし。男同士なんてあり得ないっしょ? 胸は無いし、ヒゲは生えるし、アレだって付いているんだぜ?」
 田部の一言一言が心臓に突き刺さる感じ。。
「そーだよなー」
 あいつも、俺と同じ、男の体なんだもんな――元気なく答えた俺に、田部が訝しげな顔を向けた。
「何だよ? 山崎ぃ。もしかして、お前俺のこと好きだとか? わかった。だからそれで悩んでたのか?」
「はー? 何でそうなるんだよ。ありえねー」

 そうだよ。男同士とか関係なくて、俺はあいつが好きなんだよな――そう思うと、胸はドキドキするし、顔まで熱くなってきた。

「冗談だったんだけど……何その顔。なぁ、お前、その誘うような目、止めろって」
 秋山が冗談とも本気ともつかないようんないような事を言って俺をからかった。

「アホか!」
 俺は座ったまま田部に蹴りを入れた。

 やっぱ、ありえない。男のあいつに惚れてしまったなんて――でも……。


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恋の行方…2
 あれは高1の夏が過ぎた頃だった・・・。

 ある日の朝、俺はいつもの電車に乗り遅れ、次の電車を待っていた。
 ホームで電車を待ちながら、俺は頭の中で「今度の電車だと、駅から走らないと間に合わねーんだよ!」って、ぶつけようの無いイライラと戦っていた。

 ほんの数分前、俺はいつもの電車に乗ろうと思い、急いで階段を上っていた。その時、後から階段をかけ上がって来た人が急にぶつかってきて、俺は肩にかけていた鞄を落としてしまった。
ぶつかったサラリーマンは何も言わずに、そのまま階段をかけ上がって行き、人ごみに紛れて見えなくなった。
そして俺はムッとしながらそいつの背中を見ているうちに、電車に間に合わなくなってしまったのだ。
 混んでいる中、相手も急いでいたんだろうから仕方無いのはわかる、だけど、「すみません」の一言も無いなんて、今の大人はどうなってるんだよ・・・そう思いながら、俺は腕時計を見つめ溜め息をついた。


 だけど、その後俺は、「いつもの電車に乗らなくて良かった」って思えるような運命の出会い(?)をしてしまうのであった――


 次に来た電車は、いつも乗っている電車よりも空いていたので、俺は苦労しないで車内に乗り込むことが出来た。
 俺はドアのすぐ横の座席前にある吊革に掴まると、顔を上げて窓の外を眺めた。
晴れ渡った、清々しい空が広がっていたが、それを眺めていても、俺のイライラはおさまらなかった。


 隣駅に着くと、俺の前に座っていたOLが立ち上がり電車を降りて行った。
ラッキーな事に俺は朝から座ることが出来るのだ――朝からついてない・・・と思っていたけど、そうでもないか。駅から学校まで走らないといけないわけだし、今のうちに少しゆっくりしていこうじゃないか――そう思いながら、俺は座席に座って、反対側のドアに目を向け、駅から乗り込んでくる乗客をボンヤリ眺めていた。

 ここの駅は、この時間帯に乗ってくる人が多いんだ?――そう思いながら人の流れを見ていた俺は、次の瞬間、メチャメチャ俺好みの子を見つけてしまった。その時の俺には、その子だけが輝いて見えた。
 これが一目惚れってやつなのか・・・俺はドキドキしながら、その子を目で追った。でも、残念な事に、その子は電車に乗り込むとすぐにドアの所に立ち、窓の方を向いてしまったのだ。俺の席からは顔が全然見えない――。
 だけど・・・柔らかそうな髪、色白の肌、キリッとした眉、ほんの少し垂れた目――その人の可愛らしい顔が、さっきの一瞬で、俺の記憶の中にシッカリ留まってしまった。

 俺はその時、いつもの電車に乗り遅れて、イライラしていた事もすっかり忘れ、電車を降りる頃には、明日も頑張ってこの時間の電車に乗るぞ――なんて思っていたのだった。


 そして・・・
 それから数日が過ぎたある日、俺は新たな事実を知り、浮かれきっていた恋心の持って行き場に困ってしまうのである――。


 一目惚れしたあの日以来、俺はいざとなったら遅刻覚悟で、彼女に会える電車に乗るようになった。


 その日は彼女の乗る駅からの乗客が意外と少なかった。いつも彼女の周りを囲むように立っている女子高生やサラリーマン等の邪魔者が居なさそうで、「今日はジックリと見られるぞ」なんて、ウキウキした気分で、電車に乗り込んで来た彼女を眺めた。
 いつもは、人の隙間から、顔が覗いている程度だったのだけれど、その日は彼女の頭の先からつま先までがシッカリ見えるじゃないか。
 胸は大きいのかな? とか、足は細いかな? とか、そんな事をモヤモヤと考えながら、彼女のことを見ていると・・・

「あいつ、男じゃねーか・・・」思わず言葉にしてしまいそうだった。

 俺、この数日間、こいつを見つめてたのか――
 自分が男に恋心を抱いていたんだ――という事実は、俺にかなりの打撃を与えた。
顔以外はあまり見えなかった(見ていなかったとも言える――)から仕方ないけど、もっと早く気づけよ、と自分に思わず突っ込みを入れてしまう。
よく見れば、男ってわかっただろうに・・・落ち込みとも、後悔ともつかないような妙な気持ちと共に、俺はそいつから視線をそらした。

 相手が男だとわかると、これ以上そいつを見ている理由は無くなってしまい、翌日から俺は、以前乗っていた電車に乗るようになった。

 だけど、その後の俺は、毎朝何か物足りないような気がしてしまい・・・自分でもバカな行動だと思ったのだけど、また、そいつに会うために、一本遅い電車に乗るようになった。
 俺はそいつの放つ、癒し系の雰囲気に、すっかりはまってしまっていたのだ。会話をしたわけでも、そいつが俺に何かをしてくれたわけでも無いのに、そいつの事が頭から離れなくなっていた。

 自分でも戸惑いは隠せなかった・・・だけど、付き合いたいとか、どうにかなりたいとか思っているわけでもないし、見ているだけなら、それも良いんじゃないか? そう思って、自分を騙し続けた俺だった。

 そして、結局、1年以上経っても、俺のほのかな恋心は消えないままだった。

 そいつはいつもドアのところで外を眺め、俺はそいつの横顔をチラチラと見つめる、そんな不毛な日々が続いた――。

 部活の朝練で会えない日や、そいつが同じ電車に乗ってこなかった日が、やけに辛いって思うようになっていた俺は、既に道を踏み外してしまっていたのだろうか・・・


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恋の行方…1
 俺、山崎卓志(やまざきたくし)、高校2年の健全な男子。
今俺は、隣のクラスの女の子に告白されている。
もうすぐ冬休みだから、クリスマス用の恋人をゲットしようとしているのかな?
なんて思ってしまう俺なのだけど・・・。

「ねぇ、山崎君、彼女居なかったら、私と付き合って欲しいと思っているんだけど・・・」

 寒いこの時期に、今にも雨が降り出しそうな空の下、屋上に呼び出された寒がりな俺は、凍えそうになりながら、彼女の告白を聞いていた。
 
 目の前の彼女、村山静香(むらやましずか)が俯いたまま俺の返事を待っている。
 この時の俺の正直な気持ち――面倒くさい事になってるな――。
俺、今彼女とか居ないけど、村山とは付き合うつもりもないし・・・あぁ、でも、告って来たのが他の女でも同じかな。今の俺は誰とも付き合う気が無いって言うか――

 ボンヤリと考えていると、返事を促すかのように村山が上目使いで俺の事を見た。

――あぁ、村山って、かなり可愛いんだ――そうは思ったけど・・・

「悪い、村山・・・。俺、村山とは付き合えない」
 俺はそう言ってペコリと頭を下げた。
――さっさと終わらせて、暖かい教室に戻りたい――

 頭を上ると、村山の悲しそうな表情が視界に入ってきた。
 多分・・・一大決心をして、告白しているんだろうから、付き合えないって言われたら、ショックだよな――なんて、俺はちょっと冷めた目で、目の前の村山の様子を観察していた。
 可哀想かも知れないけど、俺、本当にダメ。村山は可愛いし、結構モテルんだから、俺じゃなくて、他をあたってよ・・・と言いたい気分だ。

「彼女とか、いるの?」
 悲しそうだった村山の目が、一瞬鋭く輝いたように見えた。
「そうじゃないけど・・・」
 俺のあやふやな言葉に村山が口を尖らせ、眉間にシワを寄せた。どんな表情をしても、可愛らしく見える奴って得だよな・・・俺はそんな事を思いながら俯いて苦笑した。

「ねぇ、彼女居ないなら、付き合ってよ・・・お願い」
 両手を合わせ、首を傾げながら村山が言った。
女の子ってすごい。俺にもこれぐらいの度胸があったら良かった。イヤイヤ、俺の場合はこんなんじゃ通用しないよ・・・・・・。

「ゴメン。彼女はいないけど、好きな奴が居るんだ。今は誰とも付き合いたくないから」
 そう、俺は只今乙女チックに片思い中。だから、他の奴は目に入らないって言うか何ていうか・・・。
「・・・そうなんだ。・・・それなら仕方ないや」
 村山はそう言うと、パッと俺に背を向けて走り出した。
 あぁ、良かった・・・これで開放される。もし、逆切れとかされたらどうしようと思ってたよ・・・。
さて、用が済んだから、教室に戻ろう――。
 急に強い風が吹いて、体中に鳥肌が立った。俺は慌てて屋上の入り口から校舎の中に入った。

「よう、山崎」
 声のする方に顔を向けると、入り口のすぐ脇に同じクラスの田部が座り込んでいた。
 田部は俺が顔を向けると、ニヤニヤと笑いながら立ち上がった。
「何だよ田部、お前盗み聞きすんなよ」
 俺が不貞腐れたようにそう言うと、田部は「ふん」と鼻をならした。
「人聞きの悪い事言うなよ。俺はただ、一服しようと思ってきたら、お前がコクられてたってだけだぜ」
 田部がタバコとライターをこれ見よがしに俺の前に突き出した。
「はーん。そうなんだ?」
 俺はムッとしたまま田部に言い返した。

「なぁなぁ、何で振っちまうの? 村山ならOKだと思うけどねぇ。可愛いし胸デカイし。お前、彼女居ないなら、とりあえず付き合っちゃえば良かったのに。もったいねぇなぁ」
 田部が俺の肩に腕を回し、反対の手で俺の頭をグリグリと撫で回した。
「じゃあ、お前が付き合えよ。俺は好きな奴がいんの。お前聞いてたんだろ?」
 俺は田部の腕から抜け出し、田部の腹を拳で殴る真似をした。
「おっと、あぶねーなぁ。俺は無理。美加ちゃん一筋だし」
 田部が、幼稚園時代から片思いしていた美加ちゃんと付き合うようになったのは、つい二週間前だったっけ。こいつはチャライ見かけに似合わず一途なんだよな・・・。

「まぁ、お暑い事で・・・」
 俺がふざけたように言うと、田部がニヤッと笑ってから「ま、俺の事は良いから」と言って、さらに俺の話を聞こうとした――。
「それよか、誰なんだよ、お前の片想い中の相手って? クラスの奴とか?」
「・・・違う」
 言いたいけど・・・やっぱマズイよな――俺は心の中で葛藤を続ける。
「もしかして、3年のお姉様とか?」
「ちげーよ」
「お前、親友の俺にも言えないっていうのか?」
「だって、お前の知らない奴だもん」
「ふーん、そうなんだ? でも、気になるよなー。お前が好きになるって、どんな女なんだろうな」
 田部が興味津々の目で俺を見ていた。いくらなんでも、やっぱり・・・今俺が好きな相手は、女じゃなくて男なんだよ・・・とはいえないよな――。

「お前にはヒミツ。お前、口軽いし」
 そう。こいつ、チャラいわりに真面目なんだけど、どうも俺の事に関しては口が軽いと言うか、何でもネタに使おうとしているんじゃないか? って感じもするのだ。

「そんな事ねーよ。俺、お前が言うなっていうなら、絶対言わないって」
「マジ?」
 一瞬、気持ちが揺らいでしまうしまったけど、俺の片想いはきっと、お前にとってはカッコウの笑いのネタ。
「まじまじ」
 田部が興味津々の顔をしながら俺を見ている。
「でも、教えねー」
「んだよ、お前!」
 田部が俺の頭をグシャグシャと両手で撫で回した――。

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